解説・ストーリー
映画「幸福の黄色いハンカチ」は、1977年に公開された感動の日本映画の金字塔です。山田洋次監督の作品で、高倉健が主演を務めました。その後、テレビドラマや海外作品としてもリバイバルされました。
物語は、刑期を終えた元炭鉱夫の島勇作(高倉健)は食堂に立ち寄り、ハガキを一枚書いて投函する。一方、恋人にフラれヤケになった花田欽也(武田鉄矢)は、東京から一人傷心旅行に来た朱美をナンパしドライブに出る。
海岸にやって来た2人は、同じくそこに立ち寄っていた勇作に写真を撮ってもらう。2人はその縁で彼を車に乗せ、3人旅を始めることになる。
欽也は朱美を口説き始め、「キスだけ」と言いながらのしかかる。抵抗していた朱美は急に動かなくなり泣き始める。隣室の勇作は騒ぎを聞き欽也を一喝する。それでも3人は何かと関係が崩れそうになりながらも旅を続けてゆく。
車や旅館の部屋の中で、勇作は徐々に自分の過去を語りだす。幸せな光枝(倍賞千恵子)との新婚生活から無理な仕事が祟り5年前の流産。勇作はヤケになり、夜の繁華街に繰り出し、偶然、肩が当たったチンピラ(赤塚真人)とケンカをして相手を死なせてしまう。逮捕され、刑務所に入った勇作は離婚を決意する。
勇作は出所直後の網走で光枝宛てに葉書を出していたことを告白する。葉書には「もし、まだ1人暮らしで俺を待っててくれるなら。鯉のぼりの竿に黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ。それが目印だ。もし、それが下がってなかったら、俺はそのまま引き返して2度と夕張には現れない」と書いたという…。
山田洋次監督が繊細な演出で人間の温かさと生きる力を描き、高倉健の演技が作品に深い感動を与えます。昭和時代の風景や人々の生活を描写しながら、愛と幸福の尊さが伝えられます。
「幸福の黄色いハンカチ」は、家族や友情、幸せの追求について深く考えさせられる作品です。感動的なストーリーと演技、そして山田洋次監督の確かな手腕が結びつき、多くの観客の心に響く作品となりました。
観客レビュー
「『幸福の黄色いハンカチ』は、愛と幸福の本質を捉えた美しく感動的な映画です。高倉健をはじめとした俳優陣の演技は素晴らしく、ストーリーは深く心に響きます。心情の表現に長けた日本映画を代表する名作です。」
「『幸福の黄色いハンカチ』は、時を超えた心温まる物語です。高倉健ばかりでなく才能豊かなキャストの演技と、監督の見事な物語の描写が感動的な作品に仕上げています。忘れがちな人の温かさを求める人は必見です。」
「『幸福の黄色いハンカチ』は心の琴線に触れる感動的な映画です。登場人物たちの葛藤と勝利が深みと真実味をもって描かれています。この映画の愛と家族のテーマは力強く共鳴します。感動的な映画体験です。」
スタッフ・キャスト
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝間義隆
音楽:佐藤勝
撮影:高羽哲夫
編集:石井巌
美術:出川光男
キャスト:
島勇作:高倉健
島光枝:倍賞千恵子
花田欽也:武田鉄矢
小川朱美:桃井かおり
旅館の親父:太宰久雄
チンピラ:赤塚真人
ラーメン屋の女性店員:岡本茉莉
警官:梅津栄
警察署で泣く女:三崎千恵子
検問の警官:笠井一彦
帯広のヤクザ風:たこ八郎
交通課長:山本幸栄
朱美の同僚:川井みどり
渡辺勝次:渥美清
映画評論家・メディア評
受賞歴
第1回日本アカデミー賞(1978)
作品賞
監督賞:山田洋次
脚本賞:山田洋次、朝間義隆
主演男優賞:高倉健
助演男優賞:武田鉄矢
助演女優賞:桃井かおり
主演女優賞:倍賞千恵子(ノミネート)
音楽賞:佐藤勝(ノミネート)
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