解説・ストーリー
ルー・ウォレスの傑作小説で3度目の映画化となった、ウィリアム・ワイラー監督による「ベン・ハー」(1959年公開)は、壮大な作品として大成功を収め、アカデミー賞史上最多の11部門受賞を果たした名作です。(後に「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」も11部門で受賞)
この映画は、古代ローマを舞台にした壮大な歴史ドラマ作品です。エルサレム出身のユダヤ人の王子、ジュダ・ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)の物語で、イエス・キリストの生涯が背景となっています。日本公開時には昭和天皇・皇后が訪れ、日本初の天覧上映作品となりました。
物語はユダの牧歌的な生活から始まりますが、ローマの有力な役人となった幼なじみのメッサラ(スティーブン・ボイド)から反逆罪で濡れ衣を着せられたことで、彼の人生は崩壊します。ユダは富、地位、自由を剥奪され、奴隷刑を宣告される。
ユダは何年もの間、奴隷としての苦難に耐えてきましたが、復讐への願望が彼の精神を持ち堪えさせます。そんな中、彼はイエス・キリストと偶然出会い、許しと憐れみを教えられる。運命の定めどおり、ユダはスリル満点の戦車競走の場で再びメッサラと出会う。クライマックスのレースは戦いとなり、彼らの未解決の対立は最高潮に達していく…。
物語を通じて、ユダは個人的な心情の変化を経験し、許しと人間性のより深い理解を見つけていきます。彼の復讐の物語は、正義と精神的な救済の追求へと発展していきます。
「ベン・ハー」は、息を呑むような戦車レースや精巧なセットのインパクトのある映像、そして歴史上の出来事と個人的なドラマを織り交ぜた物語で、その壮大なスケールが今も有名です。
圧倒的な映画撮影、記憶に残るパフォーマンス、そしてミクロス・ローザによる力強い音楽により、「ベン・ハー」は映画の傑作となり記録破りの映画各賞を受賞しました。半世紀以上経つ今でも、名作として広く認知され続けています。
観客レビュー
「『ベン・ハー』は、現在も名作であり続ける壮大な作品です!チャールトン・ヘストンは堂々とした演技を披露し、スリリングな戦車シーンは忘れられません!」
「『ベン・ハー』は古代ローマの世界に浸れる壮大なスペクタクル作品です。俳優陣の演技は力強くて、キリストの許しと救いのテーマは心に深く響きます!」
「『ベン・ハー』は、キリストの生誕から処刑・復活までの壮大な物語です。今も語り継がれる戦車競走の場面と脚本の深みにより、この映画は傑作作品となって世界中で愛され続けています。」
スタッフ・キャスト
監督:ウィリアム・ワイラー
脚本:カール・タンバーグ
原作:ルー・ウォレス
製作:サム・ジンバリスト
撮影:ロバート・L・サーティース、ハロルド・E・ウェルマン、ピエロ・ポルタルビ
編集:ジョン・D・ダニング、ラルフ・E・ウィンタース
美術:エリザベス・ハフェンデン
音楽:ミクロス・ローザ
キャスト:
ユダ・ベン・ハー:チャールトン・ヘストン
クィントゥス・アリウス:ジャック・ホーキンス
メッサーラ:スティーブン・ボイド
エステル:ハヤ・ハラリート
シーク・イルデリム:ヒュー・グリフィス
ミリアム:マーサ・スコット
ティルザ:キャシー・オドネル
シモニデス:サム・ジャッフェ
バルタザール:フィンレイ・カリー
ポンテオ・ピラト:フランク・スリング
映画評論家・メディア評
受賞歴
第32回アカデミー賞(1960)
作品賞
監督賞:ウィリアム・ワイラー
男優賞:チャールトン・ヘストン
助演男優賞:ヒュー・グリフィス
撮影賞(カラー):ロバート・L・サーティース
編集賞:ラルフ・E・ウィンタース、ジョン・D・ダニング
作曲賞(ドラマ/コメディ):ミクロス・ローザ
衣装デザイン賞(カラー):エリザベス・ハフェンデン
美術賞(カラー)
特殊効果賞
音響賞
脚色賞:カール・タンバーグ(ノミネート)
第17回ゴールデングローブ賞(1960)
最優秀作品賞(ドラマ)
最優秀助演男優賞:スティーブン・ボイド
最優秀監督賞:ウィリアム・ワイラー
最優秀主演男優賞(ドラマ):チャールトン・ヘストン(ノミネート)
コメント