解説・ストーリー
1965年に発表された名作小説「DENE デューン/砂の惑星」は、その物語の複雑さやボリュームの多さにより映像化が困難とされていたが、1984年にデビッド・リンチ監督によって「デューン/砂の惑星」として映画化。その後テレビシリーズも含めて何度か映像化され、ドゥニ・ビルヌーブ監督の本作は5度目の映像化作品であり2部構成の第1作目です。
物語は地球を離れ、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年の人類達が舞台。一つの惑星を一つの領家が支配することとなっており、レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)は、宇宙で最も価値ある物質「メランジ」を唯一供給できる、通称「デューン」という惑星アラキスを権利を手に入れる。
「メランジ」は、寿命を延ばし思考レベルを上げ、超光速の旅行にも欠かせない万能のスパイスである。レト・アトレイデス公爵は、この権利獲得には複雑な罠が潜んでいる事を知っていたが、愛するレディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と後継者である息子ポール(ティモシー・シャラメ)のために「デューン」へ向かう。
「デューン」の環境は過酷で、巨大な砂漠に砂虫(サンドワーム)が存在する危険な惑星でもある。やがて皇帝と採掘権を持っていたハルコイネン男爵(ステラン・スカルスガルド)の罠により、アトレイデス公爵は命を落とす。当然ジェシカとポールも命を狙われることになる。生死をかけた闘いの中で、彼らは「デューン」の原住民であるフレーメンと知り合い導かれていく…。
重厚で壮大なこの物語は、政治的陰謀や冒険・SFを組み合わせた名作で、何度も映像化が断念された物語でもあります。ドゥニ・ビルヌーブは見事に作品として完成させ、公開後の批評も高くアカデミー賞では10部門ノミネート、6部門受賞に輝きました。興行的にも成功を収め、続編の製作に合わせて前日譚の前日譚の製作も発表された。
観客レビュー
「DUNE デューン 砂の惑星」は、裏切り・運命・神秘に満ちた、実に広大で複雑な世界に私を引き込みました。ドゥニ・ビルヌーブは細かいところまで丁寧に描いています!ジマーの忘れられない音楽がこの大作に華を添え、とても満足のいく名作映画でした。
「インパクトが強く物語は繊細です!特にシャラメの微妙な表現が詰まった、ゆっくりとした熱量の演技が印象的です。しかし、ハーバートの小説に慣れていない人にとっては、物語の複雑さを覚悟して観たほうがいいです。第2部を心待ちにしています!」
「賞賛に値する演出や映像美、音楽も素晴らしい映画です!私にとっては原作を尊重していますが、やはり難解でした。SFファンにとっては素晴らしい作品ですが、爽快なSF作品を期待して行かない方がいいですよ。」
スタッフ・キャスト
監督:ドゥニ・ビルヌーブ
脚本:ジョン・スパイツ、ドゥニ・ビルヌーヴ、エリック・ロス
原作:フランク・ハーバート(「デューン砂の惑星」)
製作:メアリー・ペアレント、ドゥニ・ビルヌーヴ、ケイル・ボイター、ジョー・カラッチョロ・ジュニア
音楽:ハンス・ジマー
撮影:グレイグ・フレイザー
編集:ジョー・ウォーカー
キャスト:
ポール・アトレイデス:ティモシー・シャラメ
レディ・ジェシカ:レベッカ・ファーガソン
レト・アトレイデス公爵:オスカー・アイザック
ガーニー・ハレック:ジョシュ・ブローリン
ウラジミール・ハルコネン男爵:ステラン・スカルスガルド
グロッスー・ラバン:デイブ・バウティスタ
リエト・カインズ博士:シャロン・ダンカン=ブルースター
チャニ:ゼンデイヤ
ピーター・デ・フリース:デヴィッド・ダストマルチャン
スフィール・ハワット:スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン
ガイウス・ヘレン・モヒアム:シャーロット・ランプリング
ダンカン・アイダホ:ジェイソン・モモア
スティルガル:ハビエル・バルデム
ウェリントン・ユエ博士:チャン・チェン
映画評論家・メディア評
受賞歴
第94回アカデミー賞(2022)
視覚効果賞
美術賞
撮影賞:グレイグ・フレイザー
編集賞:ジョー・ウォーカー
音響賞
作曲賞:ハンス・ジマー
作品賞:(ノミネート)
脚色賞:ジョン・スパイツ、ドゥニ・ビルヌーブ、エリック・ロス(ノミネート)
衣装デザイン賞:(ノミネート)
メイクアップ&ヘアスタイリング賞:(ノミネート)
第79回ゴールデングローブ賞(2022)
最優秀作曲賞:ハンス・ジマー
最優秀作品賞(ドラマ):(ノミネート)
最優秀監督賞:ドゥニ・ビルヌーブ(ノミネート)
第45回日本アカデミー賞(2022)
最優秀外国作品賞:(ノミネート)
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