解説・ストーリー
「愛と哀しみの果て」は、アイザック・ディネーセンの自伝的小説を基にした魅力的な物語です。 この映画は、20世紀初頭の植民地ケニアが舞台で、当時の社会背景も複雑に交差する物語です。
デンマークの貴族カレン・ブリクセンは、遠いいとこであるブロル・ブリクセン男爵と(名目上の)結婚をするためにケニアへ向かいます。 彼らは力を合わせて、アフリカでコーヒー農園を設立します。 しかし、彼らの結婚生活は、ブロルの不貞と無責任のためにすぐに崩壊します。
農園の管理を一人残されたカレンは、農場を経営する傍ら冒険好きな大物ハンター、デニス・フィンチ・ハットンと知り合います。 アフリカの美しい大自然を一緒に探索するにつれて、彼の情熱的な性格に惹かれ関係は深まっていきます。
カレンはこの土地とその人々に深く愛着を抱くようになり、地元のキクユ族の間で尊敬される人物になっていきます。 彼女は使用人のカマンテと深い絆を築き、アフリカ文化の美しさと同時に経済的な困難を経験します。
息を呑むような風景を背景にした「愛と哀しみの果て」は、カレンの土地への愛、経済的困難の中で農場を守るための奮闘、そしてこの異質でありながら魅力的な広大な世界で自分の居場所を見つけようとする姿を描いています。
この映画はまた、植民地主義と文化の衝突の複雑な力学についても掘り下げています。 カレンはアフリカの人々の権利と福祉の擁護者となり、社会規範に立ち向かい、現地での教育にもに挑戦します。
シドニー・ポラック監督の「愛と哀しみの果て」は、壮大に広がる大陸を背景に人間の精神や大切なものは何かという疑問を投げかけてくれます。時代を超越した美しくも悲しい物語です。 愛の力、自然の美しさ、そして逆境に直面した女性の人生を讃えた名作です。
観客レビュー
「『愛と哀しみの果て』は映像が素晴らしく、ストーリーは感情を駆り立てる映画です。メリル・ストリープの演技は格別で、アフリカの風景は息を呑むような美しさです。」
「『愛と哀しみの果て』は、人生と愛の複雑さを美しく捉えています。メリル・ストリープとロバート・レッドフォードが力強い演技を披露し、ロマンチストにとっては必見の映画です。」
「広大なアフリカとメリル・ストリープの繊細な演技により、『愛と哀しみの果て』は驚くほど感動的な映画に仕上がっています。植民地主義の社会背景が物語に深みを与えています。」
スタッフ・キャスト
監督:シドニー・ポラック
脚本:カート・リュートケ
原作:アイザック・ディネーセン(「アフリカの日々」)
製作:シドニー・ポラック
撮影:デヴィッド・ワトキンス
美術:スティーブン・B・グリーネ
編集:フレデリック・ステインカンプ、ウィリアム・ステインカンプ
衣装:ミレーラ・カノネロ
音楽:ジョン・バリー
キャスト:
カレン・ブリクセン:メリル・ストリープ
デニス・フィンチ・ハットン:ロバート・レッドフォード
ブロル・ブリクセン男爵:クラウス・マリア・ブランダウアー
バークレー・コール:マイケル・キッチン
ファラ:マリック・ボーエンズ
カマンテ:ジョセフ・ティアカ
キナンジュイ:スティーヴン・キニャンジュイ
デラメア卿:マイケル・ガフ
フェリシティ:スザンナ・ハミルトン
映画評論家・メディア評
受賞歴
第58回アカデミー賞(1986)
作品賞
監督賞:シドニー・ポラック
脚色賞:カート・リュートケ
撮影賞:デヴィッド・ワトキンス
作曲賞:ジョン・バリー
美術賞
音響賞
主演女優賞:メリル・ストリープ(ノミネート)
助演男優賞:クラウス・マリア・ブランダウアー(ノミネート)
編集賞:フレデリック・ステインカンプ、ウィリアム・ステインカンプ
ペンブローグ・J・ヒリング、シェルドン・カーン(ノミネート)
衣装デザイン賞:ミレーラ・カノネロ(ノミネート)
第43回ゴールデングローブ賞(1986)
最優秀作品賞(ドラマ)
最優秀助演男優賞:クラウス・マリア・ブランダウアー
最優秀作曲賞:ジョン・バリー
最優秀主演女優賞(ドラマ):メリル・ストリープ(ノミネート)
最優秀監督賞:シドニー・ポラック(ノミネート)
最優秀脚本賞:カート・リュートケ(ノミネート)
第10回日本アカデミー賞(1987)
外国作品賞:(ノミネート)
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