タクシードライバー(Taxi Driver 1976 アメリカ)

1970年代
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解説・ストーリー

「タクシードライバー」(1976) は、マーティン・スコセッシ監督による心理ドラマの傑作です。ロバート・デ・ニーロは戦争の闇を纏った難しい設定の主人公を演じきっていて、ジョディ・フォスターが当時13歳で売春役を演じたことでも話題になった作品です。

ニューヨーク市の荒れた街路を舞台にしたこの映画は、夜勤のタクシー運転手として働く孤独なベトナム戦争退役軍人、トラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)を追っていきます。トラヴィスは、戦争後遺症に悩まされ、周囲の腐敗した社会に幻滅し、疎外と絶望の状態に陥っています。

彼は美しい選挙ボランティアのベッツィー(シビル・シェパード)に夢中になりますが、関係を持とうとする試みは失敗に終わり、彼はさらに孤独に陥ります。ある日、乗車中に出会った若い売春婦アイリス(ジョディ・フォスター)を更生させようと試みるがそれもうまくいかない。

トラヴィスは、正義感に駆られ、アイリスの売春での稼ぎを搾取するポン引き、スポーツ(ハーヴェイ・カイテル)から救出するという使命に駆られる。武器を装備したトラヴィスは、暴力的な行動を綿密に計画し、危険な思考にどんどん陥っていきます。

トラヴィスは街の「汚物」を一掃することに執着するようになり、現実からどんどん離れていきます。彼の精神状態が悪化するにつれ、都会の自警団の正義の体現者へと変貌し、悲劇的だが意外なクライマックスを迎える…。

スコセッシは1970年代のニューヨーク市の混沌とした背景を映し出しながら、トラヴィスが狂気へと堕ちる原因となった抑圧的な雰囲気をしっかり捉えています。また、ロバート・デ・ニーロの並外れた演技も圧巻で、リアルなトラヴィス・ビックルを演じきっています。正気と狂気の境にある男を演じた彼の演技は批評家の称賛を獲得し、同世代で最も優れた俳優の一人として飛躍する作品となった。

U-NEXT

観客レビュー

⭐⭐⭐⭐⭐
『タクシードライバー』は人間の心の闇を深く掘り下げた傑作だ。デ・ニーロの演技は圧巻です。心に残り今も忘れられない映画。
⭐⭐⭐⭐
スコセッシの監督のトラヴィス・ビックルの奇怪な物語は格別だった。1970年代のニューヨークの荒々しく混沌とした雰囲気を伝えてくれます。孤独と幻滅についてとても考えさせられますよ。
⭐⭐⭐
この映画は、闇深いバックグラウンドを持つ役をデ・ニーロが見事に務めた名作ですね。暴力的なクライマックスは強烈ですが、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかいまだにわからない社会の闇を描いた名作でしょう。

スタッフ・キャスト

監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
製作:マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス
撮影:マイケル・チャップマン
編集:トム・ロルフ、メルビン・シャピロ
音楽:バーナード・ハーマン

キャスト:

トラヴィス・ビックル:ロバート・デ・ニーロ
アイリス・“イージー”・スティーンズマ:ジョディ・フォスター
ベッツィ:シビル・シェパード
スポーツ:ハーヴェイ・カイテル
トム:アルバート・ブルックス
ウィザード:ピーター・ボイル
チャールズ・パランタイン上院議員:レナード・ハリス
タクシー会社受付:ジョー・スピネル
シルエットを見守る男:マーティン・スコセッシ

映画評論家・メディア評

「タクシードライバー」は、都会と戦争後遺症の闇を描いた作品。難しい役に挑んだデ・ニーロの演技をスコセッシが引き出している。現代も名作として人気の高い作品。
スコセッシ監督の傑作『タクシードライバー』は、ストーリーに夢中になれる忘れられない作品です。引き裂かれた社会をありのままの描写し、大国の光と闇を映し出す作品。
「タクシードライバー」は、戦争による疎外感を持った主人公の物語です。スコセッシ演出とデ・ニーロの強烈な演技が、素晴らしくもあり悲惨でもある名作。

受賞歴

第49回アカデミー賞(1977)
作品賞:(ノミネート)
主演男優賞:ロバート・デ・ニーロ(ノミネート)
助演女優賞:ジョディ・フォスター(ノミネート)
作曲賞:バーナード・ハーマン(ノミネート)

第34回ゴールデングローブ賞(1977)
最優秀主演男優賞(ドラマ):ロバート・デ・ニーロ(ノミネート)
最優秀脚本賞:ポール・シュレイダー(ノミネート)

第29回カンヌ国際映画祭(1976)
パルムドール:マーティン・スコセッシ

コメント

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