預言者(Un prophète 2009 フランス)

2000年代
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解説・ストーリー

「預言者」は、2009年に公開されたフランスの魅力的な犯罪ドラマ映画です。フランス国内のセザール賞では13部門ノミネート、9部門で受賞という圧倒的評価を受け、カンヌ国際映画祭でもグランプリに輝きフランスを代表する一作となりました。

物語は、19才で犯罪を犯し6年の刑を宣告された、読み書きできないアラブ人男性マリク・エル・ジェベナの物語です。刑務所内ではコルシカ人とイスラム教徒という対立する2つのギャングのグループが存在していた。

当初、マリクは世間知らずで傷つきやすく、双方からの虐待と脅迫を受けていました。彼は生き残るために、コルシカ系マフィアのリーダー、セザール・ルチアーニのグループに仲間入りする。セザールもマリクの可能性を認め、彼を部下にして殺人の執行者として雇用する。

セザールの指導の下、マリクは単なる囚人からマフィアへとゆっくりと変わっていきます。彼は読み書きを学び始め、犯罪戦略を養っていく。マリクはコルシカ島の指導者たちからの信頼を得る一方で、イスラム教徒の囚人たちとも密かに関係を築き出していく。

年月が経つにつれて、マリクは両方のグループにとって不可欠な存在となり、麻薬密売、密輸、暴力行為を計画・実行していく。彼は、刑務所の権力関係を自分に有利になるように巧みに操作していく。マリクは次第に影響力を増し、彼自身の刑務所内での強力な人物となっていく…。

「預言者」は、無法な刑務所生活の暗く容赦のない世界の物語。マリクが単なる駒からたたき上げのリーダーへと進化するにつれて、人間性の変化をリアルに描き出している。主人公に抜擢されたのは新人のタハール・ラヒムだが、見事な演技を披露している。

U-NEXT

観客レビュー

⭐⭐⭐⭐⭐
「『預言者』はフランス映画の傑作です!強烈な犯罪ストーリーと、複雑なパワーバランスに最初から最後まで夢中になりました。マフィア映画ファンに特にオススメです。」
⭐⭐⭐
「演技も内容は素晴らしかったが、ゴッドファザーなどのマフィア映画が苦手な方は避けた方がいいくらい現実味のある映画です。刑務所生活の生々しい描写と主人公の変化が印象に残ります。」
⭐⭐⭐⭐
「『預言者』は、刑務所の中という特殊な環境で、力関係と生存について残酷に描かれています。タハール・ラヒムの演技は素晴らしかった!刑務所のリアリズムは凄く心に残り、こうした世界が共存している事を思い知らされました。」

スタッフ・キャスト

監督:ジャック・オーディアール
脚本:トーマス・ビデゲイン、ジャック・オーディアール、アブデル・ラウフ・ダフリ
原案:アブデル・ラウフ・ダフリ、ニコラ・プフェーイ
製作:ローランヌ・ブーラショ、マルティーヌ・カシネッリ、マルコ・チェルキ
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
音楽:アレクサンドル・デスプラ

キャスト:

マリク・エル・ジェベナ:タハール・ラヒム
セザール・ルチアーニ:ニエス・アレストリュプ
リヤド:アデル・ペンシュリフ
レイブ:ヒケム・ヤクービ
ジョルディ:レダ・カティブ
ヴェットーリ:ジャン・フィリップ・リッチ
教授:ジル・コーエン
ピリッチ:アントワーヌ・バスラー
ジャミラ:レイラ・ベクティ
サンピエロ:ピエール・レッチャ
サンティ:ジャン=エマニュエル・パニー
タリク:ラバ・ルーシフ
オマール:スリマヌ・ダジ
サンティのコルシカ人の兄弟:セルジュ・オンテニエンテ

映画評論家・メディア評

「『預言者』は、刑務所内を舞台とした犯罪ドラマです。オーディアールはリアリティのある演出で複雑な展開を描き出している。非常に評価の高い作品となっています。」
「オーディアールは人間関係と心情の複雑な物語を紡ぎ、主人公の闇社会での成り上がりを表現しています。素晴らしい脚本と演技派の脇役に支えられ、新人ラヒムが主人公として輝きを放つ作品。」
「『預言者』は、刑務所の生活を生々しく描ききった作品です。この映画のリアリズムは、オーディアールの脚本と演出、個性を全面に出した俳優陣によって、フランス映画の名作といえる出来映え。」

受賞歴

第82回アカデミー賞(2010)
外国語映画賞:(ノミネート)

第67回ゴールデングローブ賞(2010)
最優秀外国語映画賞:(ノミネート)

第62回カンヌ国際映画祭(2009)
コンペティション部門:グランプリ:ジャック・オーディアール

コメント

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