解説・ストーリー
映画「X-Men」(2000年公開)は、マーベルコミックスの「X-Men」シリーズを基にした初の映画作品で、ブライアン・シンガーが監督を務めました。映画は、特殊能力を持つ者たちが共存・差別・恐怖という社会的テーマを描きつつ、壮大なスーパーヒーローアクションを展開します。
CGI技術が進化し始めた2000年代初頭に制作されたことで、ビジュアルも衝撃的であり、その後のスーパーヒーロームービーに大きな影響を与えました。批評家からはストーリーとキャラクターの背景を深く描写したことを評価され、興行的にも成功を収めました。
近未来、突然変異を起こした人々は異能(ミュータント)と呼ばれ、彼らは通常の人間たちとは異なる超人的な能力を持つようになりました。しかし、その力を恐れた人々からの差別と迫害に晒され、ミュータントたちは社会から疎外されるようになります。
世界には大きく分けて、ミュータントの共存を願うX-Menと、人間社会への反乱を誓うマグニートー率いるブラザーフッドという二つのミュータントグループが存在します。X-Menは敬愛する指導者チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)のもと、ミュータントと人間が平和に共存できる世界を目指しています。
ある日、記憶を失ってしまったミュータントのウルヴァリンは、触れた者の能力を奪う少女ローグと出会う。そこでミュータントに襲われ「恵まれし子らの学園」という施設で治療を受ける。ローグはX-Menの専門学校であったこの学園に通うことになり、ウルヴァリンも滞在することになる。
二人はX-Menと対立するマグニートーの陰謀に巻き込まれます。彼の計画は、世界の指導者たちをミュータントに変えてしまうというもの。彼はそのことによって、ミュータントへの迫害を終わらせようとします。
しかし、その計画は人間を破滅へと導くものであり、X-Menはマグニートーの計画を阻止しようと壮絶なバトルが繰り広げられ、最終的にX-Menはマグニートーを止めることに成功するが…。
観客レビュー
「X-Men」は、ストーリー展開とキャラクター開発において見事なバランスを達成しています。ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンのパフォーマンスは特に印象的で、シリーズの顔となるに値するものでした。ビジュアルは少し古く見えるかもしれませんが、そのエッセンスは健在です。
この映画は、漫画からスクリーンへのトランジションをうまく移行しています。各キャラクターが鮮明に描かれ、個々の動機が丁寧に説明されています。2000年の映画としては、特殊効果も驚くほどに鮮やかで、アクションシーンは爽快感がありました。
「X-Men」は確かに楽しい映画ですが、一部のキャラクターは深く掘り下げられていません。ビジュアルエフェクトは当時のものとしてはかなり良い方ですが、今日の基準から見るといくぶん古びて見えます。しかし、全体としてはエンターテイメントとして十分な作品です。
スタッフ・キャスト
- 監督:ブライアン・シンガー
- 製作:ローレン・シュラー・ドナー、ラルフ・ウィンター
- 製作総指揮:アビ・アラド、スタン・リー、
リチャード・ドナー、トム・デサント - 脚本:デヴィッド・ヘイター
- 音楽:マイケル・カメン
- 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
- 美術:ジョン・マイヤー
- 編集:スティーブン・ローゼンブラム、ケビン・スティット、ジョン・ライト
キャスト:
- ローガン/ウルヴァリン:ヒュー・ジャックマン
- チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX:パトリック・スチュワート
- エリック・レーンシャー/マグニートー:イアン・マッケラン
- ジーン・グレイ:ファムケ・ヤンセン
- スコット・サマーズ/サイクロップス:ジェームズ・マースデン
- オロロ・マンロー/ストーム:ハル・ベリー
- マリー/ローグ:アンナ・パキン
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